2016年 1月

 非核の政府を求める石川の会は、会報「非核・いしかわ」第210号(2016年1月20日付)を発行しました。サイドメニューの会報「非核・いしかわ」、「絵手紙」も最新情報を追加しました。

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  年頭のご挨拶

非核と非暴力

非核の政府を求める石川の会

代表世話人 井上英夫

 新年あけましておめでとうございます。金沢は暖冬の影響でしょうか。雪なしの正月を迎えました。

 「何となく、今年はよい事あるごとし。元日の朝、晴れて風無し」。

と啄木は謳いましたが、IS等によるテロ、難民問題を契機に欧米での極右の台頭など、など、人類の未来を暗くする事態が続いています。

 そして、正月には北朝鮮の水爆実験のニュースです。自民党・安倍首相がこれだけ原発再稼働に固執するのは、「核兵器」を持ちたいからだと思わざるを得ませんが、北朝鮮の核は、核抑止力論を強め、戦争法さらに核装備そして徴兵制への格好の口実を与えることになるでしょう。

 本当に、水爆なのか、実験に成功したのか。確証もないまま独裁者・金正恩に踊らされる日本政府に情けない思いをしているのは私だけでしょうか。

 ともあれ、原発廃止と核兵器廃絶は一体のものであることがますますはっきりしてきたと思います。

 核抑止力論と非暴力

 非核の政府、核廃絶への最大の関門は、核・軍事力抑止力論だと思います。

 2010年そして昨年、ニューヨークでのNPT(核拡散防止)条約再検討会議、平和行動に参加しました。その際、セントラルパーク周辺で署名行動にたちました。核廃絶、平和を求める署名への賛同者は必ずしも多くはなく、強い反発すら招きました。私たちに食ってかかってきた人々の主張は戦争防止のため核、軍事力は必要だと言う核抑止力論でした。

 日本でも北朝鮮、IS脅威等を口実とした「抑止力論」はなかなか強固な支持を得ていて、覆すのは簡単ではありません。私は、国レベル以上に一個人のレベルから考えるしかないと思っています。

 戦争の抑止さらには平和のためといいますが、抑止力論は、結局戦争を肯定し、国家と個人による殺人を肯定しているでしょう。

 そこで、「あなたは個人として人を殺しますか、人を殺してよいと思いますか」と問うわけです。すると、そんなことはない、と皆さん否定する。人を殺してはならない。暴力を振るってはならない、と。つまり、抑止力論への一つの対応として非暴力を掲げる。個人の非暴力の延長にこそ国の暴力=戦争・核・兵器=の否定、絶対平和があるということをすべての人々が徹底的に認識することこそ核廃絶への近道なのではないかと感じたわけです。

  戦争から非暴力運動へ―リンカーンからキング牧師へ

 2010年、平和行動の主たる舞台は、リバーサイド教会でした。公民権運動でアメリカを変えたマルティン・ルーサー・キング牧師が、ベトナム反戦演説を行った場所です。キング牧師は、非暴力主義者でした。そして、昨年、私がワシントンで立ったのは、リンカーン記念堂の階段、1963年8月28日、20万人のワシントン大行進の際、キング牧師が、私には夢がある(I have a dream)という公民権運動の有名な演説をした場所でした(写真)。

リンカーン演説会場写真①

リンカーン記念館の演説の場からジョージ・ワシントン記念塔を臨む

  

リンカーン演説会場②

演説「I HAVE A DREAM」の場所であることが刻まれている

 キング牧師は、1968年4月4日、メンフィスで暗殺されました。黒人奴隷を解放したリンカーンも1986年4月14日暗殺されました。二人とも暴力によって命を奪われたわけです。しかし、南北戦争勝利により奴隷解放を成し遂げたリンカーンから非暴力運動で公民権法を勝ち取ったキングへの100年の歩みは、人類の進歩を示したのではないでしょうか。

 暴力・報復の連鎖を断つ―南アフリカとマンデラ大統領

 そして、核廃絶、戦争・テロを無くすためには、暴力と報復の連鎖を断ち切らなければなりません。南アフリカのネルソン・マンデラ前大統領が思い起こされます。2013年12月5日、95歳でなくなりますが、リーダーとして人種差別制度=アパルトヘイトの廃止を勝ち取り、1994年5月10日、新生南アフリカの初代大統領になったわけです。その演説を読んだ時私は、震えるほど感動しました。

 「We are free now. Black and White is together!」、と人々に呼びかけたのです。

 「アパルトヘイトを実施し、これに加担した白人は、土地、財産をとりあげ皆殺しだ」。こうなってもおかしくないのが人類の歴史でした。今でも、人種、民族間紛争で多くの人々が殺されています。

 しかし、マンデラさんは、虐殺・弾圧→権力奪取→報復=虐殺・弾圧という負のスパイラル・循環を断ち切ろう、一緒に国=虹の国=づくりをしようと呼びかけたのです。

 平和的生存権と非暴力

 人類の明日に希望が持てるではありませんか。日本国憲法こそ非暴力主義に立っている。そして、その非暴力主義が南アフリカで現実のものとなっているのですから。

 憲法前文は、「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであつて、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意し」、「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。」と、平和的生存権を謳っています。

 ここに、恐怖とは、戦争、テロそして暴力であり、欠乏とは飢餓や貧困です。

キング牧師は、非暴力主義のゆえに同じ黒人(アフリカ系アメリカ人)からも非難を受け、自ら暴力の犠牲となり暗殺されるわけです。マンデラさんは非暴力主義でしたが、アパルトヘイトとの戦いの中で軍事路線を受け入れざるを得なくなります。確かに、非暴力を貫くに余りに厳しい現実かもしれません。

 しかし、ガンジー、キング牧師そしてマンデラと現代における非暴力主義の足跡をたどると人類の将来に明るい展望が開ける気がします。あらためて非暴力主義の歴史を学びさらに発展させる努力を今年から始めたいと思います。

年頭の挨拶・写真

南北戦争から公民権運動まで、黒人の運動は切手にまでなっている。右下、キング牧師

  

会報 非核・いしかわ

絵 手 紙

広島被爆絵画

出版物の案内

近日刊行「非核自治体運動シンポジウム」記録集 B5判 120頁 頒価1,000円


被爆70年と日米軍事同盟の罪 頒価 1,000円 全国の会


「海外で戦争する国」か、非核・平和の日本か

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