非核の政府を求める石川の会は、会報「非核・いしかわ」第275号(2021年6月20日付)を発行しました。サイドメニューの会報「非核・いしかわ」、「絵手紙」も最新情報を追加しました。
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2021年 6月
2021年6月10日
石川県内各自治体総務課 御中
(非核平和施策担当課)
非核の政府を求める石川の会
2021年度平和事業に関する自治体アンケートの集計結果 送付にあたって
5月10日~14日、県内各自治体に依頼した「2021年度平和事業に関する自治体アンケート」の集計結果がまとまりましたのでお送りします(別紙参照)。アンケートにご協力いただいた各自治体総務課の皆様に感謝申し上げます。
今年の平和事業アンケートは、次の4項目についてお尋ねしました。
- 原爆写真パネル展等の開催計画
- 被爆者援護施策
- 子どもたちへの平和教育施策
- 核兵器禁止条約に関する各自治体(知事・市長・町長)の見解
アンケート集約結果と本会のコメントは、以下の通りです。 |
「原爆写真パネル展」を自治体主催で開催しているのは?
「原爆写真パネル展」を自治体主催で開催しているのは、金沢市、七尾市、加賀市、野々市市、津幡町、志賀町、宝達志水町、能登町の8市町です。この外、輪島市では清水正明医師の「原爆被爆絵画展」を毎年夏に各中学校や公共施設で開催しています。石川県、小松市、かほく市、白山市では、毎年住民団体が主催する「原爆と人間」パネル展に公共施設を提供しています。
このうち能登町では、昨年1月に移転した新庁舎の2階町民ギャラリーにて「パネル展」を初めて開催することになりました。この「パネル」は、当会も参加している平和行進実行委員会が県内の被爆者の方から託されて能登町に寄贈したものです。核兵器の非人道性、被爆の実相を次の世代に伝えるため、県内全ての自治体で「原爆写真パネル展」の開催を要望してきたことが今夏、一歩前進します。
また石川県では全ての自治体が「非核・平和都市宣言」を決議しています。平和行進実行委員会では非核平和宣言塔や懸垂幕の新設・改修を毎年、各自治体に要望してきましたが、内灘町から老朽化した非核平和宣言塔(2か所)の改修工事をおこなったとの報告がありました。
被爆者援護施策は県の施策がほとんど/石川県原爆被災者友の会が来年3月末に解散
被爆者援護施策については県の施策が大半であり、加賀市以外では独自施策の記載はありません。県の施策にある「県内在住の被爆者で構成する団体」=石川県原爆被災者友の会のニュース(2021年4月号)によると、「石川県内の被爆者は現在64人、平均年齢は85歳。会の存続について被爆者手帳所持者全員に問合せると7割の方から返事があり、全員、閉会やむなしとの回答だった。会の存続につき、県と金沢市に報告し、今年度(2021年度)末に閉会する。」とのこと。戦後76年となり、被爆者の高齢化で運営が困難になり、石川県原爆被災者友の会が来年3月末に解散します。石川県はじめ各市町による被爆者援護施策の継続・拡充を切望します。
広島への中学生の修学旅行、夏休み・全校登校日の平和集会はコロナ禍で大半が中止に
七尾市、小松市、加賀市、白山市、能美市、川北町、中能登町の7市町では、毎年実施している平和学習等を目的とした広島への中学生の修学旅行、野々市市が毎年8月5日、6日、広島市平和記念式典に中学校生徒会代表10数人を派遣している「平和の旅」が新型コロナウイルス感染症拡大のため、2年連続で中止になっています。
例年、夏休み中の全校登校日に平和集会を開催していた自治体の小中学校では、コロナ禍で夏休みが短縮され、全校登校日は設定されなかったが、各学級において平和学習が実施されています。
平和教育は、平和展において展示する絵、作品、標語等の作成、学校支援ボランティア(戦争体験等の歴史の話)、戦争平和に関する図書コーナーの設置、全校での平和の取組(本の読み聞かせ、本の紹介、動画視聴等)を行う、国語や社会等、平和に関する学習の実施、被爆体験伝承者講和会(市内中学生が広島市から派遣される被爆体験伝承者の講話を受講)、図書委員会・掲示委員会における啓発活動など多様な方法で行われています。
今回のアンケート調査をご活用いただき、県内全ての自治体の学校教育において平和学習が実施されることを要望します。また石川県原爆被災者友の会が制作、県内全ての小・中・高・大学・図書館に寄贈されたDVD『この空を見上げて~石川・被爆者たちの証言』の視聴も期待しています。
核兵器禁止条約に関する各自治体(知事・市長・町長)の見解について
核兵器禁止条約は、核兵器の生産・保有・使用・使用の威嚇など全面的に違法とする初めての国際条約です。今年1月の核兵器禁止条約の発効により、「核のない世界」の実現は想像から創造する時代へ、「核兵器による安全保障」から「核兵器なき世界による安全保障」へと大きく舵を切りました。世論調査では、国民の7割が核兵器禁止条約への日本の参加を求め、地方議会の意見書も3割を超えています。国民の意思は明確です。
しかし、上記の設問について、「条約の署名・批准については国の専管事項であることから回答を控えさせていただく」「国の動向を注視する」が14自治体、「記載なし」が4自治体あり、「この条約の発効が、世界の恒久平和と核兵器の廃絶につながる契機となることを願っています」など条約の発効を是認する回答は2自治体だけでした。
県内では全自治体が「非核・平和都市宣言」を決議しており、また都市の連帯を通じて核兵器のない平和な世界の実現をめざす「平和首長会議」に全市町が加盟しています。条約の発効を受けて、唯一の戦争被爆国にふさわしく日本政府に核兵器禁止条約への参加、署名、批准を求めるのは「非核・平和都市宣言」自治体として、また「平和首長会議」加盟都市としてごく自然なこと、当たり前のことではないでしょうか。
当会では今後、全ての地方議会から政府に「核兵器禁止条約への参加を求める意見書」を提出していただくよう働きかけていく所存です。非核平和施策担当課の皆様のご高配をお願い致します。
以上
<追記>
今回の平和事業に関する自治体アンケート集計結果を非核の政府を求める石川の会ホームページ(http://hikakuishikawa.com/)に掲載しました。ご活用いただければ幸いです。
当会では非核・平和行政の充実をもとめて、今後も県内各自治体担当課への取材・懇談や調査活動を継続していきますのでご協力をお願い致します。