2023年 6月

 議員ウオッチ・石川訪問(5月26日、27日)レポート

 KNOW  NUKES   TOKYO共同代表 中村涼香

 議員ウォッチは全ての国会議員、都道府県知事、市区町村の核兵器禁止条約への立場を調査し、サイト上で公開している(https://giinwatch.jp)。現状、国会議員は35%、都道府県知事は34%、市区町村は36%の賛同率でいずれも30%台に留まっている。しかし、あとの60%程度が核兵器禁止条約に反対しているわけではなく、そのほとんどが立場を明らかにしていない。立場が明らかになっていなければ、十分な議論を行うこともできないため、私たちは議員ウォッチの調査を通して、核兵器禁止条約に関する議論が活発化することを目指している。

 2019年に始まった議員ウォッチの調査は国会議員の調査や働きかけを中心に行ってきた。だが統一地方選挙に合わせて、各市区町村から核兵器禁止条約に関する意見書が上がり、ボトムアップ式で世論を高めていくことも必要であると思い、昨年の10月より各地元団体(パートナー団体)とタイアップして、メンバー(主に大学生)が47都道府県を訪ねるキャンペーン「議員ウォッチ47」を開始した。そして32番目の訪問地である、北陸の石川県を訪ねた。

 5月26日、石川県の野々市市役所にて、市長の粟貴章さんと議長の北村大助さんと面会し、話を伺った。石川県内でも先進的に平和関連事業を推進してきた野々市市では毎年、平和の旅と題して中学生を広島へ派遣するほか、市役所でパネル展示を行うなどしている。一方で、核兵器禁止条約に関する意見書の採択についてはやや後ろ向きな姿勢を示しており、政府の方針に沿った回答となった。市長は気持ちとしては当然核兵器を廃絶しなければならないとしつつ、方法論として核兵器禁止条約が有効であるかどうか、より検証が必要であると指摘した。石川県内では、すでに白山市と内灘町にて意見書が採択されており、どちらも議員による積極的な働きかけと議会の決断が採択に至った要因だった。今回の面会に同席した非核の政府を求める石川の会常任世話人の神田さんは、政治家が腹をくくり、現状を前進させていく方法を模索してほしいとコメントした。

 翌日、金沢市内で市民の皆さんとのフォーラム、懇談の場をセッティングしていただき、横山加奈子さん(核戦争を防止する石川医師の会)や神田順一さん(NPO法人はだしのゲンをひろめる会)らと”次の一歩”を考えるための活動報告を行った。石川県内の様子を伺うと共に、私からは前日の野々市市との面会と重ねて全国の自治体がどのような状況にあり、どのような戦略を練って働きかけているのかを共有した。

 今回の訪問を通して、石川県内では自治体に声を届ける市民の基盤がしっかりと存在し、互いに連携しながら進められている印象を持った。やはり地道ではあるもののこうした働きかけを持続的に行うことは尊敬に値することであり、それを我々の世代がどのように引き継いでいけるかを改めて真剣に考える必要があると感じた。その方法次第では、各地域の皆さんと協力しながら、核兵器廃絶の機運を地域から盛り上げていけることは可能であると感じている。引き続き模索しながら進めていきたいと思う。

*議員ウオッチ・リサーチャとして中村涼香さんの石川訪問(野々市市市長・議長との懇談及び核兵器廃絶いしかわフォーラム)の報告を会報「非核・いしかわ」第299号(6月20日発行)に掲載しました。併せてお読みください。

非核の政府を求める石川の会は、会報「非核・いしかわ」第299号(2023年6月20日付)を発行しました。サイドメニューの会報「非核・いしかわ」、「絵手紙」も最新情報を追加しました。
●サイドメニューの「非核・いしかわ」紹介をクリックすると、A4判にリニューアルした第150号(2011年1月20日付)以降のバックナンバーをすべて閲覧できます。
●サイドメニューの「絵手紙」をクリックすると、第159号(2011年10月20日付)から掲載している金沢医療生活協同組合・絵手紙班の作品をすべて閲覧できます。

会報 非核・いしかわ

絵手紙コーナー

広島被爆絵画

石川の会・沿革

アーカイブ