NPTニューヨーク平和行動 平和と人権の旅(追加報告)

 会報「非核・いしかわ」202号に掲載した「NPTニューヨーク平和行動 平和と人権」の追加報告が筆者の井上英夫氏から寄せられましたので本会ホームページに紹介します。また、ホームページの5月20日付<新着情報>にも下記の追加報告をアップしました。

 

 NPTニューヨーク平和行動―平和と人権の旅(追加報告) 

 代表世話人  井上 英夫                                       

   被害者と加害者

 日本に帰って、5月14日、再検討会議の最終文書案から、日本の提案を反映し世界の指導者、軍縮専門家、若者に広島・長崎訪問、被爆者の証言を聞くように呼びかけた提案が、中国等の反対により削除されたというニュ-スが流れました。

   中国の傅聡軍縮大使は、記者団に対し「日本政府が、日本を第2次世界大戦の加害者でなく、被害者として描こうとしていることに私たちは同意できない」と述べたということです。

 日中関係がどうあれ、核廃絶という人類的課題にとって被爆地訪問は当然のことであり、中国の態度は間違っていると思います。したがって当然提案は復活されるべきでしょう。

 他方、中国の主張、日本が加害者であり、中国・朝鮮等アジアの国々を侵略したという歴史的事実にも目を向けるべきでしょう。南京大虐殺記念館(侵華日軍南京大屠殺遇難同胞紀念館)、ハルピンの日本軍731部隊博物館(侵華日軍731部隊罪証陳列館)を訪問し、そして日本軍慰安婦とされたオモニへの聞き取りをしてきた私にとって、日本軍の侵略と残虐行為すなわち日本が加害者であったことは紛れもない事実と言わざるを得ないのです。

 さらに、この問題を考える場合、国と国民の関係もしっかり考えなければなりません。加害者というとき最大の加害責任は政府・国が負うべきです。憲法の前文で「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し」と言っているように、戦争は政府の行為によって引き起こされるのですから。そして被害者はいつでも国民であり庶民なのですから。

 この意味でも各国指導者とくに中国の指導者に被爆地訪問を求めると同時に日本政府・安倍首相は日本の侵略・残虐行為への加害者責任を明確に認め、必要な謝罪・賠償等の措置をとるべきです。

 今こそ、日本政府・安倍首相の態度が問われています。軍事や暴力でなく領土問題はじめ、国際問題を解決するその外交力が問われています。

 これもまた、憲法前文のいうように、「いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならない」のであって、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持」するために努力してこそ、「国際社会において、名誉ある地位を占め」ることができるでしょう。

 NY平和行動に先立つ、今年2月には長崎平和公園、そして3月初めにはハワイでパ-ルハ-バ-・アリゾナ記念館に行きました。戦争・平和そして人権とりわけ平和的生存権について考えたのですが、残念ながら日本人の姿は少なかったのです。ワイキキビ-チは、日本人で埋め尽くされていたのですが。それにくらべ、中国の人々の姿が目立ちました。長崎では団体客が沢山見られました。

 国と国の間の外交力が大事なのはもちろんですが、国民レベルでの相互交流、親睦による信頼関係の構築こそ核廃絶、平和社会実現への途だと思います。